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JAL123便の検証にはANAが協力?!.

2015.08.13 Thu

JAL123便の検証にはANAが協力?!.

おはようございます.
昨日(8/12)はJAL123便の墜落事故から30年目でしたが,
前日(8/11)の毎日新聞電子版の記事に,
JAL123便の検証に関する記事がありましたので,ご覧になった方もいらっしゃると思いますが,
記事の要約になりますがご紹介したいと思います.

興味深いのは.JAL123便が墜落に至る主因とされる,垂直尾翼の破損により.
事故機が生還できる可能性があったかの検証が事故調査委員会から,ANAへ委託されたとの事です.
JALも望んだが,検証の中立性(透明性)を確保する意味合いからANAを選んだとの事.

フライトデータデコーダーから,苦労してJAL123便の航跡が復元され,
そのデータから検証を行ったのは.ANAの元機長の高野開さん.
最近はメディア等で航空評論家としても出演されているので,お名前ご存知の方も多いと思います.
現在のJAXA(当時はNAL:航空宇宙技術研究所)の保有するVSRA機を尾翼が50%喪失した条件で,
相模湾上空でテスト飛行を行ったが,参加したテストパイロット2名は全く操縦できなかったとの事です.

フライトシュミレータによる再現実験では,ボーイングのテストパイロットも派遣され,
飛行特性を変えた5種類のプログラムが作られ,その中でJAL123便の飛行特性に一番近いものを選び,
ボーイングのテストパイロットと約一月間様々な操縦方法を試したとの事です.
最初は意に反して同じ場所を旋回したり,宙返りに近い姿勢にはいって墜落を繰り返したそうですが,
フラップを使ったり,左右のエンジン推力に5%の幅で差をつけると,方向変更などはある程度可能な
事がわかったそうです.また,空理気的にですが,7471番4番エンジン(左右外側のエンジン)を
停止し,内側の2番3番エンジンで推力を中心線に集まれば,操縦特性は良くなる事がわかったそうです.
シュミレーションの結果,最終的には相模湾はの海面着水には成功したが,
飛行速度は制御できず,180Kt約330km)で海面に突っ込む結果となったそうです.
180Ktでは,コンクリートに突っ込むのと同じで,人間の生存の可能性は厳しいとの事です.

その後,ANAの8名のベテランから新人までのパイロットを目的を告げず,
(ですが,パイロットはJAL123便の検証と気づいていたとの事です.)シュミレータでJAL123便と同じ状態で
飛行できるか試みたが,全員がエンジン出力を調整するなどして飛行制御を図ったが,
急激な出力変化によりバランスを崩し,宙返りに近い状態などに陥って墜落したそうです.

ある程度予測して挑んでも,制御できないのに,何が起きたか知らなかったJAL123便
クルーが機体を制御する事は不可能だったといわざるを得ないとの結論に至り,
また,ボーイングテストパイロットも操縦の困難さに同意せざるを得ず,
最終的に,事故調査委員会は,JAL123便飛行を制御できなかったと結論付け,
NTSBボーイングもこれを受け入れたとの事です.

このJAL123便の事故ですが,その後起きた航空機事故に教訓が生かされているのを
ご存知でしょうか?.1989/7/19にユナイテッド航空232便 DC-10(機番:N1819U)が,
飛行中にエンジンが破壊,2番エンジンのファンブレードが吹き飛び,3系統あるの油圧系統が全て切断され,
JAL123便と同じ様に制御不能となる航空事故が発生しましたが.
エンジンの操作だけで飛行を維持し,最寄のスーシティー空港に緊急着陸しましたが,
着陸寸前の地上30m付近から機体のバランスが崩れ機首が下がり,また舵面が効かない為,
通常の着陸時より120km/h以上も速い速度で滑走路に進入し、
着陸に失敗し残念ながら,296名中111名が犠牲となっています.

JAL123便と異なる点は,機体そのものが大きく破壊されず,飛行の安定性は維持されていた
為,状況がJAL123便と異なるが,エンジン操作で着陸まで出来た事は,JAL123便
教訓が生かされいるのは確かとの高野さんのコメントです,
このDC-10ですが,乗客として乗っていたパイロットが幸いにもJAL123便の状況を知っていたパイロットで,
このパイロットの指導でエンジン出力だけで飛行を制御したとの事です.
この航空事故は,テレビなどで何回も放送されているので,ご覧になった方も多いと思います.

JAL123便の検証が行われた事は知っていましたが,
ANA関係者が検証に関わっているのは私も知りませんでした.
当時はANA747SR-100を運航していましたし,
検証の透明性からも,JALが検証行うのではなく,ANAに検証をゆだねた
事故調査委員会としても正しい判断だったと思います.
この検証が,後に発生した,ユナイテッド航空機事故等の航空機事故に生かされたのでしょうね.

コラム執筆はじめました
http://latte.la/user/129314
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BOEING 747の大ファン.ANAGrの機材を中心に,空港で撮影した機体や,機体整備工場で整備中の機体のトリトンブルーの機体達の紹介に加え,航空関係全般のお話や,様々な情報,その他趣味の話なども掲載してまいります.どうぞ宜しくお願い致します.プロフィールのアイコンはANAより使用許可を頂いております.

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