ANA事業構造変革によるフリートの変化.そして・・頑張れANA!!
2020.10.29 Thu
ANA事業構造変革によるフリートの変化.そして・・頑張れANA!!こんばんは,
既に,報道されていますが,
新型コロナウィルスの影響により,
ANAの2021年3月期の連結業績が,
5,100億円の最終赤字となる見通しと発表しましたね.
事業構想改革として,
本業となる航空事業の縮小も発表されました.
また,新たに中距離国際線を運航するLCC事業も立ち上げるとの事ですね.
事業構想改革に伴う,機材縮小ですが,
777-300型機が15機,777-200型機が8機,767-300型機が6機,
737型機が6機(うち既に退役済の737-500,2機を含む)の計35機との事です.
現在のANAGRの機材別の機数ですが,下表の通りです.
在籍機材と,退役予定の機材数を纏めてみましたが,
大型機の777-300ERは,国際線専用機材と言う事もあり,
国際線の回復が思わしく退役数も多く13機,
国内線用の777-300は2機の計15機となっています.
777-200型機については,派生形を含め8機が退役予定,
777-300についても,初期導入の機材が退役の対象になるのではと考えます.
787型機についてですが,効率の良い機材と言う事もあり,
787-8,/-9,/-10とすべての派生形を含め,退役数はゼロ,
767-300型機は,6機,737型機は,-700が4機と,
既に退役済の-500の2機を含む計6機との事です.

この,退役機材の計画を見て,私が,やはりと思った機材ですが,
多分,この機材の退役は他の機材と比べ少ないだろうと予想した機材です.
その機材ですが,767-300型機です.
ご存意の通り,ANAのフリートでは,中型機の位置づけですが,
他の機材と比較し,保有機数に対する退役対象機数の割合が少ないと思いませんか?
保有機数34機に対して6機の退役予定です.
その理由ですが,
これは,私がこう考えると言った予測なので,
実際の理由は分かりませんが..
また,実際に退役する767-300型機ですが,旅客型なのか?
フレイターなのか情報がありませんので,
仮に,全機旅客型のみとの予想での推測です.
767-300/300ERですが,
コロナ禍からの回復後の旅客増を見越して,
退役数が他の機材と比較して少ないのではと考えます.
現在,ANAでは,国内線,近距離・中距離国際線に就航していますが,
767-300/300ER自体,とても使い勝手の良い特徴があります.
767-300/300ERの大きな特徴として,中型機ながら,
2000m級の滑走路で運用可能な事があげられます.
更に大型の,777-200,787-8でも,2000m級の滑走路で運用可能ですが,
制限事項が多いですね.
以下のリストは,ANAが就航する国内空港と滑走路長のリストです.
(滑走路が複数の場合は,最長滑走路長のみを表示)

リストを見て貰えばわかりますが,
2000級以上の滑走路を持つ空港が多く,
767-300/300ERですが,
現在国内でANAが就航する空港の大半で運用可能です.
実際は,2000m級でも誘導路を持たない場合は,
滑走路端に180°旋回の為のターンパッドが必要,
もしくは,767-300/300ERが滑走路上で180°旋回可能な滑走路幅を有する事,
実際に,767-300/300ERでこの運用がされているか不明ですが,
767-300/300ERの最大旋回半径26.5mなので,
2000m級滑走路で誘導路無しの場合,滑走路幅45mでは就航不可ですが・・
等々の条件が必要となりますが,
コロナ禍の影響で,2000m級の滑走路を持つ空港で,
常時767-300/300ERが就航していた空港でも,
現在は,737-700/800やA320/321が運航されているのが現状ですが,
需要が回復した場合,737-700/800やA320/321では,
提供座席不足に陥る可能性もあり,
767-300/300ERのライン投入の必要性があると考えます.
また,幹線,主要ローカル空港においても,
コロナ禍では,767-300/300ERより大型機となる,
787-8/-9や777-200/-200ER/300ではキャパが超過の路線もあり,
小型機では提供座席不足,大型機では超過気味となるので,
丁度いいサイズとして767-300/300ERの存在価値が上がると考えます.
実際の所,現在のコロナ禍では,主要ローカル空港で,
3000m級滑走路を保有する空港でも,就航してる機材は,
737-700/800やA320/321と言った機材がメインで運航されていますね.
今後は,国際線は,フラッグシップが777-300ERメインだったものが,
787-8/9/10に変わり,
国内線に於いては,幹線は,777-200/200ERをメインに需要に応じ,
777-300,787-8/9,767-300/300ER,
ローカル線は,767-300/300ERをメインに,需要により777-200/200ER,
787-8/9,737-700/800,A320/321といったフリート構成になりそうですね.
フリート構成としては,コロナ以前と余り変化はないですが,
やはり大型機の777-300/300ER,777-200/200ERの数が減るので,
実際の変化は大きいと思います.
気になるのは,A380ですね.3号機はエアバスから受領はするものの,
日本到着は暫く先になりそうですね.
また,A380の就航するハワイ路線については,
11月から日本人に対する隔離措置がなくなるとの事で,
現地のニーズもあり,今後は旅客数が増える傾向にあると考えます.
A380を満たせる旅客の水準に戻るのかが,ポイントではと思います.
海外のエアラインではA380の運航停止,退役が加速していますが,
しかしながら,この状況が日本にそのまま当てはまるとは考えにくいですし,
何より,ハワイは日本人にとって一番人気のリゾートですしね,
今すぐに,A380の再就航は難しいかもしれませんが,
飛ぶ日も近いのではと考えています.
今回の発表では777-Xについても,2年導入延期となりましたね.
当初は2021年度との事でしたが,777-xについては,
ボーイング側のテストの遅れもあり,エアラインへのデリバリーも遅れそうな感じなので,
特にANAとしては,影響なさそうな気もします.
逆に,心配なのが,MSJですね.
肝心の三菱飛行機が凍結を発表したので,
形式取得に向けた各種試験は継続する様ですが,先が見えないですね,
コロナ禍とも重なり,この時期でのエアラインへのデリバリーもうまく進んだとしても,
難しいのではと考えます.
フリートの変化についても大きいですが,
やはり気になるのは,ANAGRの皆さんの事ですね.
今回のそもそもの原因は,世界的なコロナの影響による旅客減で,
自社事情ではないのですが,航空を含め,旅客業への影響は大ですね.
ですが,単に人をリストラするのではなく,
あらゆる手段で雇用を維持するという考えは,
経営破綻した某社とは異なる,ANAらしさだと思います.
国策ではなく,純民間航空会社として,
1952年の2機のヘリと社員30人からのスタートし,
45/47体制をはじめ,その後のいくつもの困難にも負けず乗り越えて,
今では日本いや世界を代表する航空会社に成長したANAです.
暫くは苦難は続くと思いますが,
ANAGRの皆さんには,
”現在窮乏,将来有望”の精神で,頑張って欲しいですね.
旅客が,コロナ以前の水準に戻るには,相当な時間がかかると思いますが,
今,我々ができる事は,ANA便に乗る事,
旅行商品を含めた,グッズや関連商品を購入する位しかできませんが,
頑張れ!.ANA・・あんしん、あったか、あかるく元気!で..
個人的にも,いつも応援しております!.

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林修のニッポンドリル,”誰も教えてくれない成田空港&羽田空港スペシャル”を見た感想.
2020.10.15 Thu
林修のニッポンドリル,”誰も教えてくれない成田空港&羽田空港スペシャル”を見た感想.こんばんは.
10月14日にフジテレビ系列で放送された,林修のニッポンドリル,
今回のテーマは,誰も教えてくれない成田空港&羽田空港スペシャルとのテーマで,
プライベートジェットへの搭乗や,羽田空港のJALのファーストクラスラウンジ,
ジェットスターのCA業務やハンドリング業務,訓練施設の紹介や,
成田空港の税関の舞台ウラの紹介等放送されましたね.
航空業界が苦境の中,こういう番組を放送して貰えるのは,とても嬉しい事ですね.
私も,楽しみに視聴しました.
林修のニッポンドリル番組HP
https://www.fujitv.co.jp/nippondrill/
収録時間180時間との事で,
普段我々が見れない箇所など見れて興味深かったと思います.
全般的に,良く仕上がった内容だと思いましたが,
そうなんですが,説明や解説について・・・???と思う箇所があり,
すんなり入ってこなかった箇所がありましたので,
補足しておきたいと思います.
先ず,ジェットスター(LCC)が安い理由として.
CAのブリーフィング,
ジェットスタージャパン的には,キャビンクルー:CCですね.
(出発前の打ち合わせ)が8分厳守との説明.
つまり,他社より短い事で,その他のコスト低減の派生で,
全体としてコスト短縮し,その結果として安くなると言いたいのでしょうね.
その前に,そもそも,LCC自体がなぜ安いかを,最初の段階で,
もっと説明して欲しいと思いました.
それとも,LCCは安いは知名度があるけど,
LCCの中でも,ジェットスタージャパンは,
さらに安いと言いたかったのかなとも・・?
以下が主なLCCがFSAより安い理由ですが,利用者向けに
LCCのメリットもですが,デメリットも説明して欲しかったですね.
・同一機材による,運航コスト,整備コストの低減
(これはLCCだけとは言えませんが)
・FSAと比較し同一機種でも座席数が多い
・機内サービス,空港サービスの簡素化
・無料サービスの範囲縮小や廃止
・1機当たりの飛行回数の増加
・特定の空港の利用(主要空港ではない)
・採算の見合う路線のみ
参考:LCC(Low-cost carrier:格安航空会社)に対し,従来型の航空会社を,
FSC(Full Service Carrier),または,Legacy Carrierと呼びます.
番組開始,約40分頃,ジェットスターの運賃の説明がありましたが,
成田-那覇間の航空運賃で2019年1月時点で,
他社:約38,469円~,ジェットスター:約5,540円~
とテロップで説明がありましたが,余りにも運賃の比較時期が古いですね.
また,比較するのであれば,番組で放送された,
成田-新千歳間で行うべきかなとも思いました.
LCCの運賃は安いを強調したかったのでしょうね.
また,FSAでも,運賃が様々あるので,同一日で比較して欲しいですね.
因みに,切りが良い所で,成田ー那覇間の,
2021/01/01の片道の最安値を調べてると,
ANAのスーパーバリュー(ANA2159便)で10,470円,
ピーチ(MM507便)が9,470円,ジェットスター(GK307便)が9,300円の運賃です.
LCCが,FSAと比較し,正規運賃が安いという説明なら納得できますが,
一概にLCCが安いとは言い切れないと思います.
その理由ですが,LCCの場合,手荷物の超過分の費用など,
場合によってはFSAより運賃が高くなるケースもあり得ますね.
しかも,荷物預かり料金は,国内線ではANA,JALは20kg(普通席利用)まで無料ですが,
ジェットスターと言うか,LCCの場合は,
預けた時点で有料ですね.
番組開始55分後頃の説明で,
キャビンクルーが機内清掃するとの紹介がありましたが,
これは,他社のCAが行わない作業としてとの説明でしたが,
他社では,J-AIRが,機内清掃はCAが担当していますね.
次に,番組開始59分頃の,
ジェットスターでの手荷物の運搬流れの説明ですが,
最初,説明を聞いてて,理解困難でした(笑)
一般の航空会社では,コンテナに荷物を入れて飛行機迄運び,
その後は,ベルトローダーで荷物を1一つずつ積み込むとの説明がありましたが,
この説明では,通常の貨物室への搬入ではなく,
バルクカーゴルームへの搬入の説明では誤解を受けますね.
私も最初は,あれ?って思いました.
LCCは,機体重量を軽くする事から,機体の貨物室へも,
コンテナでなく,ばら積みを行うLCCが多いですが,
ジェットスターでは他のLCCと比べ,荷物はコンテナに積載して,
飛行機へ搭載しているという事を言いたかったのかなと,
(LCCでは,ジェットスタージャパンだけと担当者の説明はありましたが,)
一般の航空会社や他社さん,との説明が,この説明が混乱しますね.
よーく説明を聞いて,他社との比較でなく,他のLCCと比較してなんだなと理解できましたが,
中々一般の方が理解するのは,ハードル高そうという感じがしました.
解説でも,使用機材が一機種だから,
使用するコンテナも一種類なので,扱いやすく効率がいい?=安くなる.
この説明では,ちょっと納得できる説明ではないと思いました..
逆を言うと,使用機材が複数の場合,コンテナの種類が多くなるので,
効率的でない=高いとも取れますね.
A320が搭載可能なコンテナですが,
LD-3-46/-46Wコンテナで,大型機用のLD-3コンテナと同じ幅で,
単通路機用に高さを低くした設計ですが,
このLD-3-46/-46Wコンテナですが,A320だけではなく,
ANAの例では,B6,B7,B8,A321,A380にも搭載できます.
なので,一概に1機種だけなので,効率がいいとは言い切れないと思います.
参考まで,ANAの場合ですが,LD-3-46WFコンテナ本体だけで,
125kg~135kgあるので,
A320の場合,コンテナ7個搭載できるので,
コンテナ本体の重量だけで,850kg~945kgとなります.
尚,コンテナの自重を含む総重量の制限は1,134kgです.
コンテナの仕様と機材への搭載数については,
ANAカーゴの例ですが,以下リンクに詳細表示されておりますので,
ご紹介します.
https://www.anacargo.jp/ja/dom/specification/
番組開始,1時間15分頃,
モックアップでの緊急脱出訓練の映像がありましたが,
この中で,90秒ルールの説明がありましが,
緊急脱出時に90秒以内に全員を機外に出す.ここまでは正解ですが,
解説で,ジェットスターの機体は180人乗りで4つの非常口があるので,
一つの非常口から90秒以内に45人を脱出させるとの解説でしたが,
少し説明不足な点がありましたね.
A320なので,ドアは左右4か所,非常口も左右4か所ありますが,
ドアも含め非常口は合計8か所となりますが,
90秒ルールですが,FAA(アメリカ連邦航空局)の定めた安全基準の一つで,
事故発生から90秒以内に片側のドア(非常口を含む)で,
乗客・乗員全員を脱出させなければならないという基準で,
現在世界基準になっています.
航空会社での運用以外に,航空機メーカーとしても,設計の基準とされていますね.
なので,番組で4か所との解説ではではちょっと説明不足ですね.
まあ,実際の所,片側だけで90秒以内に脱出と言うケースも希とは思いますが,
一般旅客では,通常出入りするドアと,
非常口を区別できない方もいらっしゃるのではと思います.
ここは,離陸前の安全の手順をしっかり聞いて欲しいですね
その点も番組の開設で,説明・フォロー頂きたかったなと,思いました.
一寸,細かな補足になってしまいましたが,
特に,90秒ルールについては,安全・生命にかかわる大事な事なので,
ルールを一般の方にも,広く正しく理解頂く必要があり,
正確な情報を伝えるのは大事なので補足させて頂きました.
コラム執筆はじめました
https://latte.la/column/columnist/129314
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