ANAバーチャル機体工場見学のご紹介
2016.06.24 Fri
ANAバーチャル機体工場見学のご紹介こんばんは.
最近はHMD(頭部装着ディスプレイ:Head Mounted Display)を利用して
バーチャルリアリティを楽しむコンテンツ(360度動画)が増えていますね.
このHMDですが,
ITの世界ではウェアラブルコンピュータ(身につけて持ち運べるコンピュータ)の一つに分類されますが,
特徴は頭部に装着するタイプのディスプレイで,通常のモニターとは異なるのが大きな特徴ですね.
従来は人間の目がディスプレイに視線を向けなければなりませんが,
HMDは頭を上下左右前方後方に移動させると目の前の光景が変わる為,
従来のバーチャルよりよりリアリティーの高いバーチャルリアリティーを再現できます.
さて,HMDのお話はこれ位にして.
このHMDのコンテンツで,実はANA機体工場見学のコンテンツが公開されています.
公開されているサイトですが,
360度動画を配信している360channel(サンロクマルチャンネル)と言うサイトで,
ANA機体工場見学のコンテンツのURLは以下になります.
360channelのTOPページもご紹介してきます.
360channelのANA機体工場見学のページ(画像出典:360channel)
https://www.360ch.tv/videoview/14

360channelのTOPページ(画像出典:360channel)
http://www.360vh.tv/

HMDがあれば,よりリアルなバーチャル体験ができますが,
HMDが無くても,PC,スマホ,タブレット等のデバイスがあれば利用可能です.
先日Galaxyシリーズ対応のGear VRで,
このANA機体工場見学のコンテンツを体験する機会がありましたが,
正直言って・・・凄い臨場感です!!.
右を向いてても,左を向いても,はたまた上を見上げるとドックの天井が一面に広がり.
まるで,自分が本当に機体整備工場に居る様な・・そんな感覚です.
普段なかなか,機体工場見学に行きたくても行けない方等,
バーチャルな世界で機体工場を体感できるのも良い事ですね.
機体工場見学だけなく,是非コクピット内部とかのコンテンツも面白そうですね.
是非続編に期待しましょう.
HMDをお持ちの方は是非体験してみて下さい,
Gera VRなんてないよ~って方,大丈夫です.スマホと簡易HMDがあれば視聴できます.
詳しくは360channelのページに説明がありますのでご覧ください.
https://www.360ch.tv/howto
航空の世界でも,このバーチャルを利用した訓練用のシステムが開発されている様ですね.
先日JALが,パイロット,整備士向けのバーチャルを使ったシステムを1年後の実用化に向け,
マイクロソフト社と共同で開発を進めるとの報道発表がされましたが,
今後航空業界でも,パイロットや整備だけでなく,キャビンの訓練でも普及しそうですね.
個人的にはフライトシュミレータ等への応用も出来ると思いますので,
そういう製品を個人向けにも開発・販売してほしいですね.
コラム執筆はじめました
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747-400と747-8の違い(フラップ編)
2016.06.20 Mon
747-400と747-8の違い(フラップ編)こんばんは.
久しぶりに747のお話です.
今回は,747-400と747-8の高揚力装置であるフラップの違いについてのお話です.
747-400/F,747-8I/Fとも旅客型の747-400,747-8Iは羽田空港で,
貨物型(フレイター)の747-400F,747-8Fは成田空港で定期便で目にする事も多いと思いますが,
747-8Iについては,ルフトハンザ航空が,羽田-フランクフルト線に投入しており,
唯一国内では羽田空港でのみ見れる機体なので貴重ですね.たまに成田空港にも飛来する様ですが.
さて,本題です.
747-400と747-8の違い,そのフォルムは似たものがありますが,
全長,主翼の形状,ウイングレット,エンジンなど細部に違いがありますね.
で,747-400から大きく変わった構造があります.
それが,今回のお話のテーマであるフラップの構造です.
747のフラップですが,-400,-8とも胴体側(内側),先端側(外側)の2か所に装備されています.
では,フラップの何が違うのかと言うと,構造,具体的にはフラップ版の枚数が異なります.
-400では(-400以前の747クラッシックも含む)では,
胴体側,先端側とも3枚のフラップ板が使われていますが,
-8では,胴体側が2枚,先端側が1枚のフラップ板となっています.
先ず,-400の3枚のフラップですが,トリプル・スロッテッド・フラップ(triple-slotted flap)と呼ばれます.
スロッテッド(slotted)の意味ですが,溝と言う意味です.フラップ板とフラップ板の隙間と思って頂ければよいと
思います.-400のフラップ板は3枚なので,3か所の隙間がありますね.
なので,トリプル・スロッテッド・フラップと呼ばれます.
一方-8ですが,先ず,胴体側が2枚なので,ダブル・スロッテッド・フラップ(double-slotted flap),
先端側は1枚なので,シングル・スロッテッド・フラップ(single-slotted flap)と呼ばれます.
基本的に-8は-400の設計思想を引き継いでおり,コクピットもほぼ共通の仕様となっています.
では,何故,フラップの構造が変更になったかの理由ですが,
先ず,747の設計が開発当初より経過しており,近年の空力設計の進歩があるとされます.
特に787を見ると787より先行の機種(767,777等)とは主翼の構造が大きく変わっているを皆さんもご存じだと思います.
-8の主翼ですが,787の開発から派生した物で,形状も-8と787では似ていますね.
ですが,-400から-8の主翼設計は一新されています.
制御も747では初めてフライバイワイヤーが採用されており,
主翼構造,制御システムの設計見直し,複合材の採用により-400と比べ635kg軽量化されています.
フラップの複合材の割合は70%との事です.
尚,参考情報ですが,尾翼(水平・垂直尾翼)については,-400と同じ物が採用されています.
さて・・改めて...747開発同時,何故,フラップが3枚板だったのか・・ですが,
3枚のフラップ板を,それぞれ,フォア,ミッド,アウトと呼びますが,
そのフラップ板とフラップ板の隙間を空気が流れますが,
各フラップ板上部では空気の流れが乖離しやすくなるので,
空気の流れが乖離しない様に空気の流れを一定方向とする必要があり,
747開発当時の設計では,この空気の流れの乖離の解消としてフラップ板が3枚必要であったとされます.
その後,空力設計の進歩で,2枚でも同等の効果がある事が判り,
また.メンテナンス性の向上と言う利点もあり,-8では,3枚ではなく,胴体側2枚,先端側1枚でも,
-400と同等の性能を出せる為,採用されたの事です.
ちょっと話が長くなったので,写真で-400と-8のフラップの違いを紹介します.
・離陸に向けタキシング中の-400(JA8966)を撮影,フラップは胴体側,先端側とも3重隙間式(3枚)である事がわかります.

・整備中の747-400(JA8962)右主翼.胴体側,先端側ともフルダウンの状態なので,フラップ板の枚数が3枚板なのが良くわかりますね.

・離陸に向けタキシング中の747-8I,フラップは胴体側が二重隙間式(2枚),先端側が単隙間式(1枚)であるのが判ると思います.

今回は,フラップのお話でしたが,如何だったでしょうか?.
最近は,なかなか747を見れる機会も少なくなってきているので,
是非,空港で見かけたらウオッチしてみてください.
次回は,フラップと同じ高揚力装置である,
主翼縁に装備されている,クルーガーフラップ,バリアブルチャンバーフラップについてのお話を予定しています.
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ルフトハンザA340が2017年から順次退役へ・・
2016.06.06 Mon
ルフトハンザA340が2017年から順次退役へ・・こんばんは.
A340と言えば,747と同じ4発機で,
ボーイングの機材としてはB777-300/ERと対峙する機材と言われますね.
このA340ですが,スカンジナビア航空(SAS),スイスインターナショナルエアラインズ(SWR),
フィンエアー(FIR),そして,ルフトハンザドイツ航空(DLH)が羽田空港,成田空港,中部空港に乗り入れており,
運航する機材数は全世界でももっとも多くのA340型機を43機を運航しています.
その,DLHですが,A340を2017年から順次退役させるとの事です.
気になる後継機ですが,A350との事です.
日本就航のA340はどうなるかと言うと,
此方もA350を受領後2年以内に,7往復の羽田ーミュンヘン線と,
週3往復ずつの成田ーフランクフルト線,中部ーフランクフルト線をA340からA350へ、
羽田ーフランクフルト線は,現行の747-8ICにて運航継続との事です.
また,ANAも導入する777xについてですが,DLHでは747-400の後継となる
予定で,時期は未定ながらも,日本路線に投入を検討中との事です.
日本路線就航のA340を,羽田,成田,中部で撮影しましたので,
ご紹介したいと思います.
羽田ーミュンヘン線 LH715便(A340-600 機番:D-AIHS(撮影:2014/10/27 羽田空港)

成田ーフランクフルト線 LH7414便(A340-600 機番;D-AIHS 撮影:2014/3/15 成田空港)

中部ーフランクフルト線 LH736便 (A340-300,機番D-AIGF 撮影:2011/12/23 中部空港)

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Category: 航空
羽田発高知行きANA便で重大インシデント発生・・当該機は東北FLOWER JET.
2016.06.02 Thu
羽田発高知行きANA便で重大インシデント発生・・当該機は東北FLOWER JET.こんばんは.
ANAのHPに,【お詫び】<2016年5月27日のANA561便の運航について”との記事がアップされていますが,
調べてみた所,この当該機は,先日デビューした東北FLOWER JETなんですね.
トラブルの内容は,
5/27にANA561便で羽田空港を08:22に高知空港へ向け離陸,08:40頃,羽田空港から南西に約50km,
高度5,000メートルの上空で,コックピットの計器に機内の気圧低下を示す警告が出た為引き返し,
09:11に羽田空港へ戻ったとの事です.乗客乗員は乗客164人と乗員6人の計170人で,
機材は737-800,機番はJA85AN.
機内気圧低下の影響で,乗客1人が左耳の鼓膜が破れる軽傷を負ったとの事です..
羽田空港で着陸した機体を点検したところ,
左右のエンジンに1系統ずつある空調システムの両方に不具合が発見されたとの事で,
CABにより重大インシデントに認定された様です.
機内の気圧はこのシステムなどでコントロールしており,ANAによると,通常は自動制御しているが,
トラブル発生時にパイロットがシステムを手動操作したところ警告は消えたとの事です.
運輸安全委員会(JTSB)のHPにもトラブルの概要がアップされていますね.
flightawareで確認すると,一旦羽田空港に引き返した後,
再び高知空港へ向かい飛行を行っている様にも見えますが,
ですが,flightradar24で確認した所.同じANA561便の便名でシップをJA85ANから,
JA72ANへシップチェンジして運航していますね.
ANAのHPより 【お詫び】2016年5月27日のANA561便の運航について
http://www.ana.co.jp/asw/topinfo/info.jsp?infoID=d20160527101403&info_tool_flag=1

運輸安全委員会のHPより,当該機のトラブル概要.
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail2.php?id=2158

JA85ANから,JA72ANへシップチェンジしたANA561便の航跡
https://www.flightradar24.com/data/flights/nh561/#9d668a9

flightawareよりANA561便の航跡,
https://ja.flightaware.com/live/flight/ANA561/history/20160526/2300Z/RJTT/RJOK

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