エアアジア機消息不明で新聞記事を読み思う事.
2014.12.29 Mon
エアアジア機消息不明で新聞記事を読み思う事.こんばんは.
今日(12/29)の読売新聞のエアアジア8501便消息不明の記事を読んで
??と思った事があるので,記事にしてみました.
先ず,A320の機種別事故発生率の割合が掲載されています.
1956年から2013年にかけて発生した航空機事故発生率ですが
100万回フライトに何件起きるかとの内容でA320シリーズは0.24回で,
これに対し,比較機種として掲載されているのが,747で2.85回との事です.
A320と比較するなら,同クラスの737シリーズが妥当と思うのですが,
やはり旅客機と言えば一番に上がるのが747って事なのかな~と,
記事を読んでいて,ふとそう思いました.
ちなみに,A320の100万当たりの事故回数の0.24回ですが,
別の調査機関の調べでは,
100万当たり事故件数はA320シリーズ(A320/A318/A319/A321)で0.08回,
飛行回数60.23(百万回),
747ですが,747クラシック(-100/200/300シリーズ)で100万当たり事故件数1.02回,
飛行回数13(百万回),
747-400で,100万回辺り0.07回,飛行回数7.14(百万回)と言う記録となっています.
読売新聞の記事では,他機種と比べてもA320の事故の少なさは際立っていると書かれていますが,
決してそんな事は無い事が判ります.データでは747-400の方が事故回数が少ないですね.
勿論.正しい数字を探るには,同一条件で比較する必要がありますが.
記事には,エアアジアのコメントとして.
当社のエアバス機の使用年数は他と比べても短く,安全性に問題はないと強調している,
また航空アナリストのコメントとして,
エアアジアは新造機を導入し,信頼性は高いとも記載されていますが,果たして・・そうでしょうか?.
同じ機材だからと言って,機材が新しいから事故率が低いとは決して言えないはずです.
一般の機械・装置やシステム等は,新しい時にトラブルが多く発生(初期故障)し,
徐々に減少して安定して行き,古くなると再びトラブル(摩耗故障)が多くなる傾向があります.
これをバスタブ曲線(故障率曲線)と言いますが,
航空機についても,このバスタブ曲線(詳細は以下を参照下さい)があてはまります.
まあ,コメントは一般的な話だとは思いますが,
もう少し,その辺の背景も考慮・精査したうえで記事にして欲しい所ですね.
また.TVの番組ではエアアジアの導入前のまだ導入していないA350(A350-900neo)のイラストを,
行方不明のA320と同型機と説明している番組もありました.
ちゃんと精査したうえで正しい報道をして貰いたいですね.
バスタブ曲線
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%85%E9%9A%9C%E7%8E%87%E6%9B%B2%E7%B7%9A
新聞にはA320のコクピットの写真もあり,
”操縦桿”のないエアバスA320の操縦席と説明書きされていますが,
正しくは”操縦桿”じゃなく,”操縦輪”ですね.
操縦桿とは,棒状の物を示します.戦闘機等が主に操縦桿を採用していますが,
旅客機は操縦輪の採用の方が多いと思います.
その辺の区別ももう少し配慮して貰いたいですね.
と.ちょっと愚痴っぽい内容になってしまいましたね.
しかし,今年は航空事故・事件の多発した年となりましたね.
先ずはQZ8501便の安否確認が早くとれるといいですね.
乗員・乗客が無事である事を願います.
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Category: 航空