787とA350の違いを比較してみる.
2014.11.25 Tue
787とA350の違いを比較してみる.こんばんは.
先日(11/19)にA350が初来日しました.
日本では3日間滞在し11/21に次の目的地ベトナムのハノイへ旅立った様ですね.
A350はJALが2019年から導入予定ですが,ボーイング寄りといわれたJALが,
A350を選定したのは,驚きとして報道されましたね.
同じく次世代の大型機の導入決定でANAの方は,
現在の777型を原型とし新開発される777Xの導入となりました.
A350ですが,競合機といわれる787と比較される事が多いですが,
では,現状にどの様な状況なのか,オーダー数や機体仕様など
調べてみましたので,レポートします.
先ず,787とA350の受注状況ですが,
現在どの様な状況かといいますと.
787(派生系の-8,-9,-10含む)が,2014/10/31現在でオーダー数1,054機
詳細は,787-8が459機,787-9が456機,開発中の787-10が129機の内訳となっています.
うちデリバリー数(既に航空会社へ納入された数)は787-8が197機,
787-9が7機の合計204機となっています.
一方A350の方ですが,同じ2014/10/31現在で,オーダー数は750機,
A350-800が32機,A350-900が549機,A350-1000が169機の内訳となっており,
現時点ではまだ,エアラインへのデリバリーは行われていません.
年内にカタール航空にA350-900がデリバリーされる予定との事です.
受注に関しては,787が1,054機,A350が750機と約300機近い開きがある事がわかります.
A350シリーズですが,ボーイング機との競合機は以下の通りといわれてます.
A350-800=787-9,
A350-900=777-200ER,787-10.
A350-900R=777-200LR,
A350-1000=777-300ER,777X
続いて,787とA350の違いで,競合機である,
787-9とA350-800のスペックの比較をしてみましょう.
全長
787-9:62.8m
A350-800:60.7m
全幅
787-9:60.1m
A350-800:64.8m
全高
787-9:16.5m
A350-800:16.9m
胴体最大幅
787-9:5.74m
A350-800:5.96m
キャビン最大幅
787-9:5.46m
A350-800:5.59m
最大離陸重量
787-9:244,940Kg
A350-800:248.000Kg
座席数
787-9:250~290(3クラス)ANA国内線395席
A350-800:270(3クラス)312(2クラス)
エンジン
787-9:RR Trent1000シリーズ,GE Genx(68,000lb)
A350-800:RR-XWB(74.000lb)
巡航速度
787-9:MAX0.85
A350-800:MAX0.85
航続距離
787-9:14,800から15,750Km
A350-800:15,400Km
最大燃料容量
787-9:127,000L
A350-800:129,000L
機体材質(複合材の使用割合)
787-9:50%
A350-800:53%
バッテリー
787-9:リチウムイオン電池
A350-800:ニッケルカドミウム電池
キャビンウインドウのシェード
787-9:電子式シェード
A350-800:従来式(手動シェード)
日本企業の製造分担比率
787シリーズ:35%
A350シリーズ:12%
リストプライス(2013/9当時のレートで換算)
787-9:247億7785万円
A350-800:252億5453億円
こうやって見ると,仕様的にはほぼ互角といった感じもしますが,
787よりA350の方が複合材の割合が大きいのは一寸驚きでした.
でも,一寸注意してもらいたいのは,787はエンジン提供メーカーが2社に対し,
A350は一社です.もし,エンジン不具合による飛行停止の措置になった場合,
一斉にA350の飛行が全て停止となるリスクもあると思います.
また,エンジンも文化があり,ロールスロイスのエンジンは英国をはじめ欧州での
シェアは高いですが,北米系はシェアは低い,逆にGEは欧州ではシェアが低いと言った
傾向があります.販売のリスクを低減する上ではエンジンメーカーをエアラインが選択できる
のは優位だと思います.
海外の大手エアラインは,リスク分散としてボーイング,エアバスの両社から
調達するケースが多いですが,ANAの場合は中・大型機はボーイング機,
小型機はボーイング機・エアバス機,対しJALは小型機はボーイング機,中・大型機は
ボーイング機・エアバス機と言ったラインナップとなり対象的ですね.
一方.日本のサプライヤー(部品供給メーカー)のシェアをみた場合.
787の35%に対し,A350では12%とその割合は787の方が大きいことがわかりますね.
商売的には787の方が利益が出ると言えますね.
エアバス機でも日本のサプライヤーシェアが高まるといいですが,
そうなると,逆にボーイングがいい顔をしなそうですが.
バッテリーに関しては787のバッテリートラブルの教訓から,
A350では,リチウムイオンからニッカドに設計変更されています.
787は既に就航して3年近く,ほぼ大きなトラブルは出つくした感じもしますが,
果たしてA350では初期トラブルが,どの様な傾向になるのかも,
これから要ウォッチですね.
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Category: 航空