FAAがB787にETOPS-330を承認.
2014.06.16 Mon
FAAがB787にETOPS-330を承認.こんばんは.
新装開店の第一報になります.
一寸前のニュースですが,5/28にFAA(アメリカ連邦航空局)がB787に対して,
ETOPS330を承認したとの事です.
ETOPSって何?.って思われる方もいらっしゃると思いますが,
ETOPS(イートップス:Extended-range Twin-engine Operational Performance Standards)とは,
双発機旅客機で,仮にエンジン1基が停止した場合にでも,一定時間以内に代替え空港まで飛行できる
時間を国際民間航空機関 (ICAO)が取り決めたものです.
簡単に言うと,双発機でエンジン1基で飛行可能な時間ですね.
ETOPSですが,ETOPS-120,ETOPS-180,ETOPS-207,ETOPS-240,
ETOPS-330と言った認証があります.
今回のB787へのETOPS-330の認証ですが,330分(5時間半)片肺で飛行が出来る事を意味します.
航空機には,当然目的地以外の,何らかの不測の事態が生じた場合に着陸可能な
空港が飛行する航路上に必要となります.B787の場合ですが,ETOPS-330と言う事は,
航路上に5時間半飛行し到着できる代替え空港があれば良いともいえるので,
エアラインとしては,双発機での路線開拓のエリアが拡大する事となります.
実質,ETOPS-330で,地球上のすべての地点を飛行できる様になったのではと思われます.
このETOPSですが,3発機,4発機には適用されません,
また,当然ながら,3発機,4発機より厳しい審査基準となっている様です.
ETOPSの時間拡大は,3発機,4発機の受注にも影響を与えます.
運用コストから考えた場合,双発機は3発機,4発機よりコストがかかりません,
但しETOPSの認証時間が増えると,それまで,3発機,4発機でしか飛行できなかったエリア
が双発機で飛行できる事となり,現在の主流は双発機なったと言う経緯もあるのではと,
考えます.それだけ,エンジンの連続運転の信頼性が向上したともいえますね.
尚,実際のETOPSの認証ですが,機種ではなく,機材に行われている様です.
具体的には機材とエンジンの組み合わせ(航空機の機能・性能),また運航体制,整備体制についても認証条件となる様です.
尚,詳細は,国土交通省航空局より,規定として,”双発機による長距離進出運航実施承認審査基準”として発行されています.
www.jbaa.org/japanese/etopstuutatu20080703.pdf
ETOPS認証機の一例ですが,
例えば,B777-200ERはETOPS認証機ですが,
ANAの場合,ETOPSを認証していないB777-200ERも存在します.
基本的に国際線投入機材はETOPS認証を受けていると言った分類なのかもしれませんね.
ANA機のETOPS認証機は.ノーズR1ドアの下辺りに”ETOPS”とペイントされています.
ちなみにANAがB767-300ERでETOPS-180の認証を受けた際の記事がありましたので,
ご紹介します.
http://www.ana.co.jp/pr/980709-J/980911.html
実際のETOPSの表示位置ですが,写真の様にL1ドアの下になります.JA807A

こちらは,B767-300ER(JA613A)のETOPSマーキングです.

こちら,B777-200ERのJA741A,B777-200ERですが,国内線機材の為,
ETOPSの認証へ受けていません.

ご覧頂きありがとうございます.宜しければクリックして頂けると嬉しいです.

にほんブログ村
- 関連記事
Category: 航空