B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その2)
2014.01.27 Mon
B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その2)こんばんは.
先日アップしました.B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その1)に続いて.
今回は,売却整備中のJA8966の,機体各パーツのクローズアップ写真をアップします.
写真をクリックすると大きくなります.
掲載写真については,全てANAの掲載許可を取得しております.
B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その1)
http://ja8094.jp/blog-entry-637.html
B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その2)
http://ja8094.jp/blog-entry-640.html
B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その3)
http://ja8094.jp/blog-entry-650.html
見学日時ですが,2014/01/10の15時からの見学でした,
JA8966のドックアウトが1/12なので,土日は見学会お休みの為,
見学会で見れる最後のドックでのJA8966の姿と言う事になります.
状況としては,前日(1/9)までは,足場が降りてきており,
機体全体を確認するのは困難な状況だったとの事ですが,
私が参加した1/10の15時の見学会では,足場も既に外され,
エンジンカウルが開かれた程度で,ほぼ整備は完了と言った様子でした.
・JA8966のテール,通常テールコーンと言う言い方をしますが,コーンと言う感じではないですね.
大きな開口部はAPUの排気口になります.その下に横長のライトが確認できると思いますが,
上の2つのライトが航行灯で,したにライトが,点滅灯になります.
整備中は異物混入を防止する為,APU排気口には蓋がされますが,蓋が無いと言う事は,
既に,整備は完了していると判断できます.

・JA8966の垂直尾翼.高さは地上から19.4mあります.ラダーは上部と下部の2段構成で,
後方上部には,スタテックディスチャージャ(避雷針)も確認できると思います.
白い台形状の物が確認できますが,これはテレビアンテナです.

・JA8966の垂直尾翼.先端部分が写っていませんが,結構な厚みがあると思いませんか?
垂直尾翼と同じく,側面と後方にはスタテックディスチャージャ(避雷針)が装備されています.

・こちらは,垂直尾翼前に装備されたELTアンテナです.ELTとはEmergency Locator Transmitterの略で,
飛行中の航空機が墜落した時など機体に大きなGがかかります,
するとこのアンテナを通じて航空機の位置情報を知らせる為アンテナです.
国内を飛行する航空機の位置は直ぐに分かりますが国際線機の場合は,
洋上を飛行する機会があるので設置されました.B747-400Dでも,国際線を経験した機体には
装備されています.

・こちらは,1Fから撮影したノーズギアです.車のタイヤと異なり,横の動きをせず直進性を保つ為
溝が縦のみなのがわかると思います.また,ギア扉の966のロゴも,他の機種と比べると,
フォントが異なるのが判りますね.
ノーズギアですが,機体重量の10%を支えますが,B747では,全てのタイヤ同じ大きさです.
地上から外部電源を通じて電力供給されているのが判りますね.

・こちら,グランドから撮影したコクピット外観の様子です.航空機の機体は滑らかな印象がありますが,
意外に凸凹しているのがわかると思います.B747の場合ですが, 写真の通り左右で6枚の窓があり,
中央から左右に向けそれぞれNo.1,No.2,No.3と呼ばれます,
No.1は曲面の風防で12mm厚のガラスを2枚積層し,
雹のような外的衝撃力を防ぐため外側に3mm厚の強化ガラス1枚と,
ビニール層2枚を重ねた5枚の層から成っています.
ビニール層は,中心の強化ガラスが破損した場合のフェイルセーフ部材であるとともに,
鳥が衝突した場合の衝撃エネルギーを吸収します.
B747では,防曇装置は暖かい空気を風防ガラス内面に吹きつける方式のため,
内側のガラス層に電導皮膜を施していません.
No.2とNo.3の操縦室窓は,ストレッチ・アクリル層2枚とビニール層1枚から成っており,
外側アクリル層の内面に防氷・防曇のための電導皮膜が施されています.

・ノーズギアを真横から撮影,タイヤを見ると下部が潰れていますね.恐らく,燃料を搭載したまま
ドックインしていると思われます.燃料の重みでタイヤが潰れているんでしょうね.
整備上,注意を促す目的で,赤いフラッグで視認性を高めています.

・胴体下部の空気取り入れ口です.エンジンが見えますが,左主翼のNo2エンジンです,
一寸見難いですが,胴体下部の台形状の物は,ドレンの排出口です,飛行中ギャレーで使用した水を
ここから放出します.その右側に黄色い台形状の物が見えますが,
こちらはDME(距離測定装置:Distance Measuring Equipment)のアンテナとなります.
更に,見難いですが,空気取り入れ口の下に四角い形状物が3つ並んでいますが,
これは,電波高度計です.グランドからの高さを正確に計測する為の測定機器です.

・B747らしい横顔ですね.ノーズにも色々なセンサーや機器がついています.
まず,前から8個目のキャビン窓の下の尖ったものですが,AOAセンサー(Angle Of Attack )センサーで,
航空機と風の角度(迎え角)を検知するセンサーです.その下の2本は,誰でも知ってますね.
ピトー管です.おもに速度を測定する為の測定機器ですね.その下の丸い形状の物は,着氷センサーで,
機体に氷が付着しているのを調べるセンサーです.

・JA8966のR1ドア周辺のクローズアップです.ドアの開け方が英語と日本語で書かれているのが
わかりますね.通常,ドアは外から開けます.と言うのも,地上滑走中や運航中はドアは非常設定されており,
そのまま内部から開くと脱出シューターが動作するモードとなっているからです.
つまり,通常ドアは外部から開けるものなのです,
出発時にドアクロースして,乗務員はドアモードをアームドにってアナウンス聞いた事があると思いますが,
緊急事態に備えたモードに変更して下さいとの意味の内容なんです,
ドア付近のスキンには,パッチ処理の痕が沢山ありますね.

・JA8966のL3ドア付近のスキンの状態です.日差しの関係で,機体の表面の様子が良くわかると思います.
遠目では滑らかに見えますが,実際は沢山のリベットで外板(スキン)が留められているのが判りますね.
また,L3ドア付近には,かなりのスキンの補修も確認できますね.

・整備中のJA8966のノーズ部分です,アンカレッジで見られたノーズカーゴドアの寄せ書きは見当たりませんね.
きっとドックアウトする直前に書かれたのかもしれませんね.
アンカレッジ空港で,確認された寄せ書きは,こちらをアクセス下さい,
http://fbcdn-sphotos-g-a.akamaihd.net/hphotos-ak-prn1/1012260_567634449990565_311201967_n.jpg

・整備中のJA8966をテール下部より撮影,2つのアウトフローバルブが確認できますね.
飛行中,航空機はエンジンから抜き取った高温高圧の空気をエアコンに導き,機内に送り込んでいます.
しかし,それだけでは送り込んだ空気で満たされ,風船のように膨らんでしまうことになります.その為,
航空機には,胴体の後方下部または中央左側に「アウトフローバルブ」と呼ばれる弁がついており,
このバルブの開度を調整することで機内の気圧がコントロールできる仕組みになっています.

さて,今回は,売却整備のJA8966の各種パーツの説明でしたが,如何だったでしょうか?.
JA8966自体,売却整備を終え,既に離日してしまいましたが,
最後の整備,しかも,最後の見学会で見れたのは幸運だったと思います.
機数も減ったB747-400Dですが,退役までなかなか,ドックに入る機会も少なく.
整備を見れるのも少ないと思います.ほんと,みれたら幸運だと思います.
B747-481D(JA8966)の売却前の最終整備の様子(その2)はこれで,終わりです.
次回は,その3では,ドックイン中のJA8966の全景を再びご紹介したいと思います.
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Category: 航空