JALのA350導入決定で,日本のサプライヤーは苦労するかも??
2013.10.20 Sun
JALのA350導入決定で,日本のサプライヤーは苦労するかも??こんばんは.
ロイターにこんな記事がありました.
JALのエアバスA350の購入決定は,ボーイングにとって当然痛手だが,
米国の製造業に恩恵をもたらす可能性も秘めており,
現在日本企業が担っている機体製造業務の米国回帰が期待できるからとの内容です.
ボーイングはここ50年,翼や胴体部分の製造を他企業に委託する傾向を強めてきた.
ボーイング機の生産には多くの日本企業が関係しており,
この為,日本の航空会社はボーイング機を購入し続けてきた.
日本の製造業がボーイング機製造に携わり続ける限り,
日本市場ではボーイングがエアバスを押さえて圧倒的地位を保つという好循環だ.
ところが,JALは10/7,エアバス機の導入を発表した.大型機B777型機の更新にあたり,
A350型機を選定したのだ.契約額は95億ドル.
発表を受け,業界関係者からは,ボーイングが今後日本企業への製造委託を減らし,
委託先を本国米国を含む他国にシフトさせるのではとの声が挙がった。
ボーイングはB777型機の次世代モデルであるB777Xの設計を年内に固め,2020年までに就航させる計画.
日本の航空会社は,トラブル続きのB787型機では大口顧客だが,
B777Xについては今のところ顕著な買い手ではない.
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリスト、ロン・エプスタイン氏は,B777Xの生産で,
B787型機の方針が踏襲されることはないとみており,
日本企業は参画するが「ビッグプレーヤーにはならないだろう」と述べた.
ボーイングは,B777Xの生産体制についてあらゆる選択肢を検討中とし,
JALの決定が影響を及ぼすどうかは明言を避けている.
7日に発表した声明で,JALとの確固たるビジネス関係は50年以上にわたって築き上げてきており,
今後もその関係が継続していくよう努力すると表明した.
三菱重工業,川崎重工業,富士重工業の各社の関係者は,
B777X生産参加の可能性について,機体が正式発表されるまでコメントできないとしている.
B777Xのお披露目は,11月のドバイ航空ショーと予想されている.
ドバイ航空ショーでは,エミレーツ航空が大型機150機を発注する計画で,
B777Xが最も有力とされている。
B787型機の翼部分を担当しており,ボーイングが翼の生産を米国に移した場合最も影響を受ける三菱重工の広報は,
ボーイングが下す決定.もし翼の生産を依頼されれば,最善を尽くす.
依頼されなかったとしても,引き続きできる限りのことをすると述べた.
ボーイングがB777Xの機体や部品をどこで生産するかについて,
選択肢は限られている.確実に成し遂げられる企業は一握りだからだ。
受注の可能性がある米国の企業は,スピリット・エアロシステム(カンザス州),
トリンプ・グループ(ペンシルベニア州)など.
スピリットはすでにボーイング機の翼の一部や機体を製造している.
トリンプは航空機の翼や機体などを製造している.
また,ボーイングが自社で生産する可能性もある.
スピリットは,関心があるとし,B777型機の翼や胴体部品の製造実績があると強調した.
トリンプのコメントは得られていない。
韓国と中国も,B777Xの一部の生産場所の候補として取りざたされている.
ボーイングに近い筋は,ボーイングが世界的に進める経費削減によって,
生産委託された日本企業は中国やインドで低コストの製造業者探しを強いられる可能性が高く,
サプライチェーン(供給網)で中国の存在感が増し日本が低下するとの見方を示した。
ボーイングが2012年に始めた経費削減計画「Partnering for Success」は,
日本企業を含むすべてのサプライヤーに3-4年で15%のコスト削減を求めているという.
ボーイングに部品を供給する日本のサプライヤーから見た場合,
JALのエアバス導入決定は驚きだったかもしれませんね.
サプライヤーもボーイング依存の傾向が強いので,
B777Xでは,B787のシェアを上回る部品供給を狙いたい所ですが,
今後のボーイングの動向が気になりますね.
ここは,やはり,ANAがJALのA350を上回るB777X導入の声を上げるしかなさそうな気もしますが,
どう出るでしょうね.
JALのエアバス導入に関して,日本の部材メーカーは一切口をつぐんでいるそうです.
報道によると,ある担当者は,今はボーイングを刺激したくないと語る.
恐れるのはボーイングの心理的な日本離れかも知れませんね.
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Category: 航空