ジブリ作品,風立ちぬ・・好評上映の様ですね.今日は零戦のお話です・・
2013.08.03 Sat
ジブリ作品,風立ちぬ・・好評上映の様ですね.今日は零戦のお話です・・こんばんは.
ジブリ作品,風立ちぬ が,好評上映中の様ですね.
飛行機ネタなんですが,まだ見ていません.
零戦を設計した,堀越二郎氏をモデルとしたお話の様で,
作家の堀辰夫氏の,小説『風立ちぬ』からの着想も盛り込まれているそうですね.
この映画の中で,零戦も登場する様ですが,
零戦にもスポットがあたりそうですね.
今回は,そんな零戦のお話です.
零戦ですが,戦時中の映像を見ると,地上基地から出撃するシーンも多いですが,
航空母艦(空母)での運用を目的とした,艦上戦闘機です.
零戦とは愛称で,正式名称は”零式艦上戦闘機”です.
原型は11型で,21型,32型,52型・・64型と発展してい行きましたが,
あくまでも発展と言うよりは改良と言った色が濃く,
戦争初期には向かう所敵なしの零戦でしたが,戦争の長期化につれ,
性能面,優秀な搭乗員喪失,更に連合軍の新鋭機の登場や,
零戦への対策方等が確立され,戦争後期には劣勢に追い込まれたのは,
ご存じだと思います.
零戦の型式ですが,十の位が機体の世代を,一の位がエンジンの世代を表しています.
零戦の名称ですが,”ゼロ戦”と言う呼び方と”レイ戦”と言う呼び方をされたそうですが,
戦時中は英語は敵性語なので,”ゼロ戦”ではなく,”レイ戦”と呼ばれていたのが通説らしいですが,
兵士からは”ゼロ戦”,”レイ戦”両方使われていたそうです.
で,何故??ゼロ戦(レイ戦)と呼ぶかですが,
当時の日本の軍用機は,採用年次の皇紀下2桁を名称に冠する規定になっておりい,
零戦の「零式」との名称は,制式採用された1940年(昭和15年)は皇紀2600年にあたり,
その下2桁が「00」である為です.
零戦の開発ですが,開発元は三菱重工ですが,中島飛行機(現在の富士重工)で,
零戦全体の2/3がライセンス生産されています.
総生産数は10,430機.
国内でも,現存する零戦を見る事ができますが,
現在,埼玉県所沢の所沢航空発祥記念館で,プレーンズ オブ フェイム所蔵の52型 (尾翼番号61-120)が,
2012年12月1日〜2013年8月31日まで特別展にて展示されています.
一度,零戦の現物をご覧になっては如何でしょうか?
今年の3月に所沢航空発祥記念館で撮影してきましたので,写真をアップしたいと思います.
クリックすると大きくなります.
この,零銭52型 61-120ですが,
日本海軍の第一航空艦隊の陸上基地航空隊の第261航空隊(虎部隊)に配備された
72機のうちの1機で,1944/6/15サイパンにて米軍の捕獲され,
米本土でテスト飛行された経歴を持ちます.
零銭52型の全景.人物と比較してゼロ戦の大きさがわかると思います.

零銭52型のコクピット部分のクローズアップ.
軽量化の為,椅子の背もたれは部分的にくり抜いてありますね.

零銭52型をノーズ左斜めより撮影.零戦を間近で感じるアングルですね.
主翼から突き出ているのは20mm機銃です.

零戦52型の右主翼のクロースアップ.エルロン部分です,零戦の機体の材質はジュラルミンですが,
このエルロン部分は”布”で作られています.また,翼面も綺麗な仕上がりで,リベットの痕が無い様にみえますね.
沈頭鋲と言うリベットで,空気抵抗を小さくしています.
日の丸ですが,敗色が濃くなるにつれて,日の丸の赤も濃くなって行ったそうです.

零戦52型の銘板.零戦ですが,機体テールの左側に銘版が書かれています.
形式は,零式艦上戦闘機52型と書いてありますね.製造番号は中島第5357番です.
この機体は三菱重工でなく,中島飛行機でのライセンス生産機である事がわかります.
星マークが3つ見えますが,これは,敵機撃墜マーク,本機が3機の敵機を撃墜した記録です.

零戦52型の着艦フック.零戦は航空母艦で運用される艦上戦闘機ですが,その証拠として,
着艦フックがテール下部に収納されています.このフックにワイヤーを引っかけて着艦します.
戦争後期には,着艦する空母も殆どない状態でしたが・・.

零戦52型をテール後方から撮影.凄い薄い胴体なのがわかりますね.水平尾翼のエレベーター部分ではタブも
装備されいますね.

零戦52型をテール右後方より撮影.垂直尾翼には”61-120”の文字が,胴体部分もとても滑らかですね.

零戦52型の左主翼クローズアップ.突き出ているのは20mm機関砲です.
前縁の黄色は敵味方を識別する目的の為塗られています.

零戦52型のエンジン部分クロースアップ.この零戦ですが,オリジナルの栄21型エンジンを搭載した,飛行可能な機体です.
零戦52型からは,エンジン排気管が集合タイプのものから,推力式単排気管と呼ばれるものに変更されています.
排気ガスの勢いを使って速度を増そうという考えです.

零戦も色々な番組で取り上げられていますが,
私が一番興味を持った番組があります.
”零戦ニ欠陥アリ〜設計者たちの記録〜”と言う,NHKのETV特集で,
2005/8/13に放送された,ドキュメンタリー番組です.
零戦の設計に関わった,曽根嘉年氏の遺品の中から見つかったメモで,
当初から設計者は零戦の欠陥を指摘していたにも関わらず,
海軍は,それを認知しながらも,黙殺・隠ぺいし,改良を了解しなかった事などが紹介されています.
本日もNHKのBSプレミアムで,
零戦 搭乗員たちが見つめた太平洋戦争と言うテーマで,
番組が放送されますね.
http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=09_0005
ライト兄弟の初飛行以来,航空機の発展は目覚ましいものがありますが,
残念ながら,航空機の発展は戦争なくして語れませんね.
戦時化での航空機の技術の発展は,平時化の3倍以上と言われます.
ご存じの方も多いと思いますが,B747も元は米空軍の軍用輸送機として開発された機体です.
結果は,当時のロッキードC-5ギャラクシーに負けはしましたが,
その後旅客機として1,470機以上製造され,商業的な成果をおさめていますね.
いつ時代も,航空機は平和の象徴であってほしいものです.
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Category: 航空