B777の脱出シューター見た事ありますか?(ANA機体メンテナンスセンターへ行って来ました)
2013.05.24 Fri
B777の脱出シューター見た事ありますか?(ANA機体メンテナンスセンターへ行って来ました)こんばんは.
ANA機体メンテナンスセンターへ行って来ました.
B787のバッテリー改修作業も幾分落ち着いてきた様で,
この日は先日の5/16に高松空港にバッテリー不具合で緊急着陸したB787(JA804A)が到着し
ドックインしていました.隣にはB777-200ER(JA716A)が整備中でした.
今回はB777-200ER(JA716A)の整備について写真と簡単な説明を行たいと思います.
B787-8(JA804A)についての詳細は改めて後日アップします.
今回は珍しい脱出シュータも見れました.
2013/05/17 ANA機体メンテナンスセンターにて撮影.ANA掲載許可取得済です.
クリックすると大きくなります.
グランドレベルからの撮影したJA716A.流石に大型機のB777-200ERだけあって,ドックで目いっぱい引いて撮影しても,
全体像が収まりませんでした(汗).

整備中のJA716Aを機体MCの2Fからノーズ正面を撮影,全てのドアがオープンしていて,
エンジンカウルも開いていますね.コクピットを見ると,左右のNo2ウインドウも開いているのがわかると思います.

こちらはJA716Aの左ノーズ部分を拡大撮影.L1ドアのノッチの形状など確認できると思います.
コクピットNo2ウインドウの開口状態もドックならではの光景だと思います.

機体上部のアンチコリジョンライトです.丸い形状ではなく.ティアーズドロップ(涙形)形の形状である事がわかると思います.
ライトについても,空力を考慮した設計なんでしょうね.
アンチコリジョンライトの手前のアンテナはDME送受信用アンテナ,後方の2つの突起はGPS受信用アンテナです.

JA716Aの後部胴体上部の構造物.左からSATCOMアンテナ,VHFアンテナ,ELTアンテナになります.
SATCAMアンテナについては.胴体の上部に設置するトップマウントタイプと,胴体左右に設置するサイドマウント型があります.
ELTアンテナが装備されている言う事はこの機体が国際線の就航している,または就航可能な機体であると判断できます.
同じB777-200でもELTアンテナの有無の違いがあります.ELTアンテナ無は国内線専用となります.
ですが,B777-200ERになるとこのELTアンテナが標準装備の仕様となっています.
ちなみにB777-300ですが,このELTアンテナは装備されていません.つまりB777-300は国内線専用という事になります.

こちらはグランドレベルから撮影したJA716A,L1/R1ドアのオープン状態です,
開いたドアがまるで兜の様にも見えますね.

こちら,JA716Aの機体銘版です.申し訳ありませんが,場所についての公開は控えたいと思います.
もし,知りたいと思われる方は,メールにてご連絡下さい.

グラントレベルから見上げたノーズL1ドアです.L1ドアの下に黄色いものが見えますが,
これが緊急時に使用する脱出シューターです.私も初めてみましたが,こういう形で収納されているんですね.

こちらは,胴体下面のアンチコリジョンライトです.丸い形状ではなく.
ティアーズドロップ形の形状である事がわかると思います.機体上部と同じ形状です.

こちらはJA716Aの右主翼の航行灯と衝突防止灯です.B787ではLED化されており,
基盤が見えますが,B777では通常のライトです.ちなみにライトカバーはガラスではなく,アクリルです.

左エンジンを整備中のJA716A.整備士と比べエンジンの大きさがよくわかると思います.
整備士白いヘルメットと黄色いヘルメットの2色がありますが,黄色いヘルメットは入社2年目までの新人です.
ちなみにB777-200ERで使用しているPW4090エンジンですが,エンジン径だけで,B737の胴体と
ほぼ同じ大きさになります.1基当たりの推力は約40トンです.

こちらJA716Aの右メインギアとギアボックス内の写真です.B777ではブレーキ系の制動は
従来機と同じ油圧を使用しているので,B787と比べると油圧配管など複雑な構成となっています.
整備で注意する箇所には,目立つようにFLAGが下げられているのがわかりますね.
先端部分はピンになっており,悪意を持ってGEARを上げようとしても上がらないので,
万一の不具合作業を防止できます
GEAR PIN(LANDING GEAR SAFETY PIN)

JA716Aをノーズ下部から前方に向け撮影.写真左上に丸い形状の物が見えますが,
これは,ジャッキアップする為のジャッキポイントです.

こちらJA716Aのテール下部の拡大です.真ん中に見える黄色い形状の物は
以前このブログでもご紹介したテールストライク・モジュールです.
テールストライク・モジュールの詳細は以下のUELをご覧ください
http://ja8094.jp/blog-entry-322.html
左側に見える板状の突起物は機内与圧を調整するアウトフローバルブです.
B777の胴体は真円ですが,丁度ウェアリングとの接合部分の形状もわかると思います.

グランドレベルから見上げたJA716Aのテール.この様なアングルから見れるのも
ドッグならではですね.APUパネルやAPUの排気口の形状などよくわかると思います.
ちなみにB777の垂直尾翼ですが,B767と大きさ的には殆ど差がありません.
B767より大型なので当然水平尾翼も大型化する様に思われますが,
B777が如何に空力的に優れた設計であるかわかると思います.

ご覧頂きありがとうございます.宜しければクリックして頂けると嬉しいです.

にほんブログ村
- 関連記事
-
- 残念な情報です.ANAのB747-400Dの退役が早まってしまいました.(その2)
- 残念な情報です.ANAのB747-400Dの退役が早まってしまいました.
- B777の脱出シューター見た事ありますか?(ANA機体メンテナンスセンターへ行って来ました)
- B787の運行再開,いよいよカウントダウンですね.
- 羽田空港内にボーイング747-8Iの広告あるのご存じですか?.
Category: 航空
Comment
ひろピー >>URL
Unknown
綺麗な写真ですね。色々な場所から撮影されているので少しびっくりしました。
MAIN GEAR の写真にある、リボンがついているというものは、GEAR PIN(LANDING GEAR SAFETY PIN)です。リボンは、リボンとは言わずフラッグ(FLAG)と言います。整備作業中は(というより、TOWING時なども)してあるものです。これがあると(悪意を持って)GEARを上げようとしても上がらないので、万一の不具合作業を防止できます。飛行中など不必要な時はMEC(MAIN ELEC CENTER)のBATTERYの上にある箱の中に収納されています。
MAIN GEAR の写真にある、リボンがついているというものは、GEAR PIN(LANDING GEAR SAFETY PIN)です。リボンは、リボンとは言わずフラッグ(FLAG)と言います。整備作業中は(というより、TOWING時なども)してあるものです。これがあると(悪意を持って)GEARを上げようとしても上がらないので、万一の不具合作業を防止できます。飛行中など不必要な時はMEC(MAIN ELEC CENTER)のBATTERYの上にある箱の中に収納されています。
Edit | 2013.05.29(Wed) 18:29:50
ja8094 >>URL
Unknown
ひろピーさん.こんばんは.初めましてJA8094です.コメント頂きありがとうございます.そうですね,リボンとの表現は適切ではなかったですね.ご指摘いただきましたので,訂正しておきます.はい,FLAGは写真の様な整備中だけでなく,空港での飛行間点検の時にも使われてますね.
Edit | 2013.05.29(Wed) 20:14:54