航空機の排水はどうしてる?
2013.02.13 Wed
航空機の排水はどうしてる?こんばんは.
航空機は乗客を乗せて運ぶ交通手段ですが,同時に大量の水を運んでいます.
航空機にどの位の水が搭載されているかご存じですか?.
航空機によって,場所は多少異なりますが,機体の中央もしくは後部の客室床の下側に,
貯水タンクが搭載されています.容量は機体の種類によっても違いますが,
国内線で約400リットル,国際線で約1200リットル水をタンクに貯めて飛行しています.
これらの水は機内で飲料水として供給されたり,ギャレーで使用されます.
また,洗面台の水や給湯・トイレにも使用され,機内で使用される水は,
ほとんどすべてこのタンクから供給されます.
航空機には,夜中や出発する朝に水供給車によって飲用水が,航空機に供給されます.
機内の洗面所なので,蛇口をひねると水がでますが,じゃ何故水がでるんでしょう?
機内でも,家庭と同じ様に圧力をかけ供給します.航空機では,この圧を圧縮空気により供給します.
飛行中などエンジンが回っているときはエンジンから,地上でエンジンが停止しているときは,
飛行機に搭載されている専用の空気圧縮機を使って圧を作り出します.
で,機内で使用された後の水はどうなるかと言うと,
トイレの水や汚物は,専用タンクの中に集められて,地上で処理されます.
改修タンクは機体後方の設置されています.
それ以外の水は,胴体の下に取り付けられている排水塔(ドレイン・マスト)から機外に放出されます.
地上での整備中に,洗面台やギャレーの水が流れると,突然このドレイン・マストから水が出てきてきます.
整備作業に支障がでるので,これを防ぐ為にドレン受けを設置して,水漏れを防止します.
ちなみの.トイレを洗浄する為に,1回あたり200CCの水が使用されます.
実際はバキュームで吸い取る為水の量は少なくて済みますが,
家庭用より随分少ないと思いませんか?飛行中限りある水の利用の工夫ですね.
ANA機体メンテナンスセンターで,このドレンマストの水もれ防止の道具を設置している
場面の写真をアップしたいと思います.ANAではこのドレン受けを”ロボコン”の愛称で呼んでいます.
クリックすると大きくなります.
2010/02/19 ANA機体メンテナンスセンターで撮影.
(ANA掲載許可取得済み)
整備中B747-400D(JA8960)のドレン・マストにドレン受けタンクを運ぶ整備士.
機体後部のひし形に見える形状の物がB747-400Dのドレン・マストです.

整備士がドレン・マストにドレン受けを装着する作業中の場面です.

こちらはドレン・マストにドレン受けを装着した場面です.

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Category: 航空
Comment
りん >>URL
Unknown
JA8094さん、こんばんは。
ほぉ~と言いながら読んでいました。
おもったより水の量が少なく感じました。なによりトイレの洗浄に200ccとは。家庭のトイレにもぜひ!と言う感じです。今回もドレンを付ける写真、メンテナスセンターで偶然撮れたのですか?貴重な写真ですよね。
いつも本当に勉強になるblogです。
ほぉ~と言いながら読んでいました。
おもったより水の量が少なく感じました。なによりトイレの洗浄に200ccとは。家庭のトイレにもぜひ!と言う感じです。今回もドレンを付ける写真、メンテナスセンターで偶然撮れたのですか?貴重な写真ですよね。
いつも本当に勉強になるblogです。
Edit | 2013.02.13(Wed) 21:43:47
ja8094 >>URL
Unknown
りんさん.こんにちは.そうですね.家庭用トイレで200ccなら凄い節水ですよね.実は一昨日我が家のトイレが詰まってしまい(汗),幸い大事無く回復しましたが・・,で,そういえばと飛行機は・・思い,この内容を思いつきました.以前機体MCで撮影した写真があったなと思い出し,やっと作業風景の写真を探し出せました(笑).B747-400Dですが,他にB767やB737のもあったのですが,探し出せませんでした(汗).
Edit | 2013.02.14(Thu) 12:32:16