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一連のB787トラブルの影響は?

2013.01.20 Sun

一連のB787トラブルの影響は?

こんばんは,
日経の記事からです.(多少加筆してあります.)

国土交通省はB787のトラブルを受け,ANAとJALに対し,B787の運航を禁止する耐空性改善通報を発令した.
B787-8は現在世界のエアラインに50機を納入しているが,その約半分の24機をANAとJALが占めており.
両社はb787-8の最大の顧客になっているだけでなく,両社の経営はB787抜きでは考えられないとの内容.
B787は燃費の大幅向上(B767-300の20%程度)から,長距離の不採算路線を中心に収益性が改善すると期待されている.

ANAでは,B787の初号機を受領する,ローンチカスタマーとしてボーイング社とともにB787の開発段階から協力してきた,
現在17機を保有しており,世界の航空会社の中で保有数は最も多い.
また,発注数も,派生形のB787-9を含め66機と最多で,国内線のみならず,
今後は国際線を中心とした新規路線開設の柱となっている.

JALもB787で昨年,成田―ボストン線,成田―サンディエゴ線を就航し,
今年2月には成田―ヘルシンキ線の就航を予定だった.現在7機を保有しており保有数は,
ANA続く16年度末までに33機を受領する予定で,
ANAとは異なり,B787を軸に国際線を復活させる計画である.

現在,中・大型機の世界の航空機市場はボーイングと欧エアバスの寡占市場であるが,
対B787として,現在エアバス社が開発中の中型旅客機A350(A350XWB eXtra Wide Body,33社から,536機のオーダー),
の運用開始は2013年後半の予定で,本格導入は2014年以降となり,国内2社が,B787からA350に乗り換えるのは難しい,
更に,ここれまでの,ボーイング社との関係から考えても,国内2社が経営戦略からB787を切り離すのは現実的ではない.
一連のトラブルにより,事業計画の変更を余儀なくされる可能性はあるが,
やはりB787を抜きにして将来像を描けない.それだけに早期の原因究明,復旧が求められる.


日本企業,生産面の影響は軽微.

B787は日本企業が機体の35%の製造に参画し,日本の航空機産業の成長にとって不可欠な存在だ.
一定期間の運航停止で先行きに不透明感が漂うが,B787を支える日本企業への生産面への影響は現時点で軽微だ.

B787でトラブルが相次いでもビジネスは続く.主翼製造を担当する三菱重工業は「ボーイング側から生産変更の連絡は特に来ていない.
当社の担当部分に問題があったわけではなく通常通り生産を続けている」(同社首脳)状況.
前部胴体などを担当する川崎重工業,中央翼を担当する富士重工業も同様で,
各社が愛知県内に構えるB787向け部材の工場も通常通り操業を続けている.

800機に上る好調な受注残を受け,ボーイングは13年末に現在の2倍の月産10機体制を目指しており,
各社とも能力増強を終えたばかりだ.川崎重工は名古屋第一工場(愛知県弥富市)に専用工場を新設し,
追加で人員も増強している.富士重工も昨年7月、半田工場(愛知県半田市)にB787用の組み立てラインを稼働.
2ラインから3ラインに増やし,月10機体制が整った.

三菱重工も昨年12月に名古屋航空宇宙システム製作所の大江工場(名古屋市港区)などで,
部品の増産を始め主翼の生産数を月5機から月7機に引き上げた.



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