ANAの富山・小松路線の減便の理由を考えてみよう!.
2016.01.21 Thu
ANAの富山・小松路線の減便の理由を考えてみよう!.こんばんは.
大変残念なニュースですが,
ANAの羽田-富山,羽田-小松線が,3/27から始まる夏ダイヤから,
それぞれ現在の6往復から4往復に減便される事となりました.
原因は皆さんご存知の通り,北陸新幹線の金沢までの開業で集客が減った事にあります.
新幹線開業前までは,富山線は767-300,787-8,小松線は767-300,777-200と言ったフリート構成でしたが,
現在は両路線とも737-800による運航となっています.
ANAの小松線は,その昔は,世界一単距離な747路線であり,
全便が747で運航されていた事もあります.
そう考えると,新幹線の開業は航空界にとっては大きなダメージですね.
自治体も空港存続に関わるので,色々な施策を試みてきた様ですが,
目に見えた成果としては達成できていない様ですね.
電車の駅は都市の中心街にあるのが一般的ですが,
空港となるとどうしても都市から離れた郊外になる事になり,
空港と都市の中心街を結ぶ陸路も減便により影響が出てきそうですね.
ちなみに最新の旅客実績数である2015年12月のレポートと同月過去2年間の比較を行ってみました.
両路線とも2013/12,2014/12,2015/12を比較すると旅客数は減少している事がわかります.
これに対し搭乗率ですが,右肩上がりとなっているのがわかりますね.
採算が取れる搭乗率ですが,60%と言われています.
羽田-富山・小松線の旅客数・利用率・使用機材の推移表

羽田-富山線の旅客数・提供座席数・利用率の推移

羽田-小松線の旅客数・提供座席数・利用率の推移

機材の投入を見ると,富山線は767-300から737-800へ,
小松線は,777-200,767-300,787-8から737-300へダウンサイジングしています.
搭乗率ですが,2015/12実績では富山線73%,小松線69.6%と利用率の実績としては良好であると思います.
機材のダウンサイジングで60%の搭乗率を越えているので,最適な機材選択と言えますね.
ですが・・・・,3/27以降の減便と言う事は,
新幹線の開業後の航空旅客の落ち込みは勿論大きな理由の一つですが,
全体の搭乗率は良いが,時間帯により旅客のばらつきが大きく減便しても,
今後も富山・小松の各4往復全体で60%を越える搭乗率は確保できると推測したのかもしれません.
国内路線全体で考えると,富山・小松を減便しても,富山・小松の利用率は60%を確保できるなら,
富山・小松の減便で浮いた羽田からの4路線を新規に割り当てた方が総合的に見ると採算性が見込まれると考えます.
富山・小松の減便分は,新規の羽田-宮古線や,岩国・沖縄便の増便割り当てる様ですね.
今回の減便は,富山・小松線の最低採算ラインを維持しつつ,
国内全路線の最適化も考慮し,富山・小松の減便を決定したのではないかと思われます.
では,富山・小松線の減便で1便当たり何人搭乗すれば採算割れしないかの試算ですが,
機材が737-800なので,1便当たり166名として,1日往復で8便なので一月31日換算で248便,
提供座席数は166×248で,一月あたり41,168席.利用率60%を採算ラインと考えると,
41,168×0.6で一月当たり31日換算で24,700席.1日当たり797名,
1便当たりに換算すると平均で99名の搭乗者があれば,採算割れしない試算となります.
2015/12実績では,富山で45,248名,小松で44,324名なので,
採算割れとんとんとなる24,700名までは,両空港ともまだ20,000名程度の余裕がある計算となります.
この試算からも減便しても採算は維持できる計算となりますね.
仮に2015/12の水準と同程度の利用者で今後が推移しても,6便から4便に減便しても,
利用者の利便性は低下しますが,キャパシティー的には何とか賄えるって事になりそうですね.
実際は,737-800だけでは賄いきれないので,
富山の1往復,小松の3往復は機材を737-800から,767-300に変更する様ですね.
比較が単月実績の推測なので,
当然ANAは将来を見越した長い目で見て減便判断したと思いますので,
あくまでも・・個人的な見解である旨付け加えて置きます.
コラム執筆はじめました
https://latte.la/column/columnist/129314
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Category: 航空